この記事では三大原種3種類+アラビカ種22種類+激レア種1種類の全26品種を初心者やこれからコーヒーを始めたい人に向けに見やすく、そして可能な限り短文で分かりやすく紹介しています。
この記事を読むことで世に多く出回っている品種についてその特徴を理解することができます。


下記の目次から知りたい箇所をクリックすると読みたいところから読めます〜
- はじめに
- 三大原種
- 三大原種以外のコーヒー
- 代表的なアラビカ種の仲間 23種
- ティピカ(Typica)
- ブルボン(Bourbon)
- スマトラ(Smatra)
- カトゥアイ(Catuai)
- マラゴジッペ(Maragogipe)
- カトゥーラ(Caturra)
- パカマラ(Pacamara)
- ブルーマウンテン(Blue mountain)
- コナ(Kona)
- ゲイシャ(Gesha/Geisha)
- SL28
- SL34
- ティモール ハイブリッド(Timor hybrid)
- カティモール(Catimor)
- バリエダ コロンビア F4(Variedad Colombia F4 雑種四代目)
- カスティージョ F5 (Castillo F5 雑種五代目)
- ルイル11(Ruiru11)
- シドラ(Sidra)
- ウシュウシュ(Wush Wush)
- バティアン(Batian)
- カトゥーラチロソ(Caturra Chiroso)
- スーダンルメ(Sudan rume)
- エチオサー(Ethiosar)
- SL9
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はじめに
この記事では現在世界中で多く飲まれていて、生産量全体の70%を占めると言われているアラビカ種にフォーカスしています。
コーヒーの味や品質は精製方法、品種、生豆運搬、焙煎、抽出方法などあらゆる要素が影響します。
本ブログではコーヒーの代表的な精製方法6種類と用語集についても記事を用意しております。
同じ豆でも精製方法が違うだけで味わいの異なる豆に仕上げることができます。精製については下記リンクから
用語については下記リンクから
三大原種
アラビカ種
アラビカ種は200種類ほど存在すると言われており、一般的に昼夜の寒暖差が激しい標高の高い場所で栽培されます。
基本的に風味が豊かな反面、霜、乾燥、病気に弱く収穫量が少ないといった短所があります。
いわゆる育てにくいが美味しい原種です。その欠点を補う品種改良も盛んに行われています。
ロブスタ種(カネフィラ種)
ロブスタ種は一般的に標高が低いところで栽培されます。
このコーヒーはアラビカ種よりも病気に強く、収穫量も多く生産性にも優れています。
そのため大量生産が可能でインスタントコーヒーやブレンドコーヒーによく使用されます。
いわゆる生産性は高いが味はアラビカに劣る原種です。
リベリカ種
リベリカ種は平地でも栽培可能な世界で1%以下しか流通していないレアなコーヒーです。
アフリカのリベリア共和国が原産で現在はフィリピンやマレーシアで栽培されています。
栽培が簡単ですがサビ病に弱い、成熟に時間を要する、収穫性が低いなどの短所があります
また一般にアラビカ種やロブスタ種よりも風味が劣ると言われています。
三大原種以外のコーヒー
ユーゲニオイデス(Eugenoides)
- 三大原種のアラビカ種の祖先
- ユーゲニオイデス種 × カネフィラ種 = アラビカ種
- 自然交配種
- 世界大会の2021WBC優勝者が使用
- 世界大会の2021WBCファイナリスト3人が使用(6人中)
- カフェインの量が少ない(アラビカの約半分)
- アラビカ種より収穫量が少ない
- 一本の木から150〜300gほどしか収穫できない
- 非常に希少価値が高い
- クエン酸がほとんど含まれていない
代表的なアラビカ種の仲間 23種
ティピカ(Typica)
- 他の品種と比べて生産量が少ない
- 15〜16世紀にエチオピアからイエメンに伝わった
- 現在完全なティピカは非常に少なくなっている
- 生産性が低く品種改良が進んだ
- 収穫量が少なく霜や病気、害虫に弱い
- 最も古い在来種
- 名前の由来はスペイン語で「典型的」「標準的」
ブルボン(Bourbon)
- ティピカの突然変異で生まれた
- ティピカよりも収穫量が多い
- 病気、害虫には弱い(サビ病など)
- 丸みのある小粒な豆
- 様々な色のチェリー(黄、赤、ピンク)
- レユニオン島(旧ブルボン島)でティピカから突然変異
- 19世紀後半にはブラジルで広まった
- 2年に一度の隔年収穫のため生産性が低い
- レッド × イエロー = ピンク?
スマトラ(Smatra)
- インドネシアで発見された
- マンデリンに含まれる品種
- 豆が大きく生産性も高い
- ティピカと同一と扱われることも多い
- 深煎りに適している
- ブレンド用としてよく使われる
- ムンドノーボのもとになっている
カトゥアイ(Catuai)
- 標高が低くても育つ
- ブラジルの主力品種
- ムンドノーボ種が元となっている
- 他品種と混ぜ合わせて販売されることが多い
- カトゥーラ × ムンドノーボ = カトゥアイ
- 品質が良く木の高さも低く管理しやすい
- 病気、害虫へ強い
- 風や悪天候に強い
- ブラジルの品評会(COE)で上位入賞
- ブルボンの二倍の密度で植えることができる
- サビ病にはかなり弱い
マラゴジッペ(Maragogipe)
- ティピカの突然変異
- 別名エレファントビーン
- 非常に大きなサイズの豆
- ブラジルのマラゴジッペ地区から命名
- 木の標高が高く収穫が難しい
- 収穫効率は他品種よりも25%劣る
- メキシコのチアバス州栽培のものが評判が良い
カトゥーラ(Caturra)
- ブラジルのミナス・ジェライス州で発見
- ブルボン種の突然変異種
- ブルボン種よりも病気に強い
- ブルボン種よりも収穫量が高い
- 味わいはややブルボン種に劣る
- 樹高が低く枝の密度が高い
- 生産性が高い
- サビ病への耐性が低い
- 2年に一度の隔年収穫
パカマラ(Pacamara)
- パカス × マラゴジッペ = パカマラ
- 高品質で収穫量が多く効率が良い
- 樹高を低く改善(マラゴジッペの短所)
- サビ病には弱い
- エルサルバドルのCOEで優勝することが多い
ブルーマウンテン(Blue mountain)
- 生産量の7〜80%を日本で消費している
- ブルーマウンテン山脈の特定の地域のみ
- ジャマイカ政府が栽培地域を明確化した
- 出荷前にジャマイカ国内で検査を受ける
- 専用の樽に詰められて輸送される
コナ(Kona)
- ブラジルから苗木が渡った
- ホワイトハウスの晩餐会で嗜まれる
- UCCが農園を所持している
- シェードツリーを必要としない
- 大粒の豆が完熟度が高く良いとされる
- ピーベリーは最高級(※)
(※)通常一つのチェリーには二つの種子が入っているが、ピーベリーの場合にはラグビーボール状の種子が一つしか入っていません。そのため希少で味も上質とされています。
ゲイシャ(Gesha/Geisha)
- エチオピアのゲシャ村が起源
- 世界大会でも多く使用される
- 2004年にパナマの国際品評会で一躍有名に
- 上記品評会後に史上最高値で取引された
- 世界で最も高価なコーヒーの一つ
- 実の成る量が通常の半分ほど
- 生産性は低い
- パナマのエスメラルダ農園が有名
- 現在は世界中で栽培されている
- 病気に弱く、栽培も難しい
- エチオピア→コスタリカ→パナマ伝来
SL28
- アフリカでも最も有名で評価の高い豆
- SL = Scott Agricultural Laboratories(農業研究所)
- 乾燥耐性を持っている
- 優れた風味特性を持っている
- 害虫やサビ病には弱い
- タンザニアのタンガニーカ種の子孫
- 豆のサイズが大きい
- 低地でも高地でも育てやすい
SL34
- L = Scott Agricultural Laboratories(農業研究所)
- その先祖はブルボン種定説とティピカ種新説がある
- 収穫量も多く優れた風味特性
- 雨量の多い場所でも育つ
- サビ病には弱い
- 高地での栽培に適している
- 浅煎り〜深煎りまで適している
- ケニアでは収集の時点でSL28, Ruiru11, K7などと混合している
ティモール ハイブリッド(Timor hybrid)
- 東ティモールで発見された初めてのハイブリッド種
- アラビカ種 × ロブスタ種の突然変異種
- サビ病に耐性がある
- 香味はロブスタよりは良いがアラビカほどではない
- あまり多くは生産されていない
- 新種交配に多く用いられている(Ruiru11など)
カティモール(Catimor)
- 突然変異種ティモールハイブリッドが親
- 1959年ポルトガルで開発された
- カトゥーラ × ティモールハイブリッド = カティモール
- サビ病への耐性があるアラビカ種
- 収穫量の多さ、密集した栽培が可能
- 風味がやや劣る
- 成長が早いため糖度が十分に高くならない
- 厳密にはカティモールには複数の品種がある
バリエダ コロンビア F4(Variedad Colombia F4 雑種四代目)
- カトゥーラ × ティモールハイブリッドから四代目
- 収穫量は高い
- サビ病に強い
- 比較的害虫にも強い
- タビ種やカスティージョ種の基礎
- カトゥーラに似た味
- 1983年にコロンビアの研究所Cenicafeで誕生した
- 1988年にコロンビアで生産開始
カスティージョ F5 (Castillo F5 雑種五代目)
- ハイブリッド種の中でも比較的風味が良い
- カトゥーラ × ティモールハイブリッドから五代目
- カスティージョからさらに次世代の品種が生み出されている
- CBD(Coffee Berry Disease)対策
- バリエダコロンビア種の開発途中で生まれた
- 苗を高密度に植えることができる
ルイル11(Ruiru11)
- サビ病への耐性あり
- 炭疽病(CBD)への耐性あり
- ケニアのルイルにある研究機関で開発された
- カティモール × SL種 × K7 × 原種 × スーダンルメ
- 短期間での収穫が可能(初回収穫まで2年)
- 対乾燥性あがある
- 収穫性も高い
シドラ(Sidra)
- 一般にはほとんど目にすることがない
- 焙煎豆100gで5000円以上とかなり高価
- 世界大会優勝者が使用(WBC 2019)🇰🇷
- 世界大会3位入賞者が使用(WBC 2019)🇨🇦
- レッドブルボン × ティピカ (自然交配)
- 収穫量はやや少ない
- エクアドルで誕生
ウシュウシュ(Wush Wush)
- エチオピア原生種と言われている
- コロンビアで多く生産されている
- Geshaエリアのすぐ近くのWush Wushエリア
- Wush Wushエリアは紅茶栽培で有名
- Geshaと似た特徴がある
- まだ認知度の低い希少な品種
バティアン(Batian)
- 2010年にケニアで開発された
- SL28 × SL34 × スーダンルメ × N39 × K7 × and more
- 炭疽病(CBD)への耐性あり
- サビ病への耐性あり
- 深く根を張る
- 収穫量が多く2年目から収穫可能
- 環境適応性が高い
- 耐病性と優れた風味を併せ持つ
- あらゆる面でルイル11より優れている
- Ruiru11よりもSL28に近い
- 一般的にSL系やRuiruと混合で精製される
- バティアン単体で精製されることはあまりない
カトゥーラチロソ(Caturra Chiroso)
- 寒さへの耐性あり
- 突然変異種
- コロンビアUrraoで発見
- コロンビアのCOE 2020でゲイシャを抑え一位
- 生産性が高い
- 背の高いチロソをBorbon Chiroso
- 背の低いチロソをCaturra Chiroso
スーダンルメ(Sudan rume)
- 南スーダンのルメバレー原生種
- ブルボン系
- 収穫量は多くない
- F1ハイブリッドの遺伝子材料として使用されている
- 炭疽病(CBD)に強い
- サビ病に強い
エチオサー(Ethiosar)
- (スーダンルメ × サーキモア)× 再ヴィジャサルチ
- 鮮やかなカッププロフィール
- F1ハイブリッド系品種
- サビ病に強い
- 高温域に強い
- 高い生産性
SL9
- SL = Scott Agricultural Laboratories(農業研究所)
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