【初心者向け】業務用エスプレッソマシンの基本知識と抽出

COFFEE

この記事ではバリスタとして5年以上働く筆者がこれからバリスタを目指したい人に向けて業務用エスプレッソマシンの基本的知識や使用方法について分かり易く解説しています。

本記事では主に電気式の業務用エスプレッソマシンについて解説しています。

下記目次よりクリックすると記事の読みたい箇所から読む事ができます。

エスプレッソの基本知識

エスプレッソって?

エスプレッソの発祥地は1900年ごろのイタリアで、蒸気機関車からヒントを得てマシンが開発されたそうです。

近年ではコーヒー専門のカフェや大手コーヒーチェーン店だけでなく、コンビニコーヒーでもよく見かける抽出方法です。

エスプレッソ抽出大きな特徴が下記の4点、

  • 9気圧のお湯で短時間抽出
  • 高濃度のコーヒー
  • 抽出量が少い
  • オペレーションが早い

短時間抽出が可能なため最も提供の早いコーヒーの一つとして知られています。

エスプレッソは高濃度のコーヒーなのでミルクやお湯を追加してもコーヒーの風味が損なわれません。エスプレッソを用いた代表的なドリンクには

  • エスプレッソ
  • アメリカーノ (+お湯)
  • カフェラテ (+ミルク)
  • カプチーノ (+ミルク)

など近年人気のコーヒーが多くあります。

1杯が20cc程のシングルエスプレッソ

エスプレッソの抽出では抽出用のフィルターバスケットには小さな穴の空いた金属製のものを使用しています。金属製はペーパー製と違い、コーヒー豆の持っている油分も通過する事ができます。

この油分が程よく抽出される事で

  • 口当たり(マウスフィール)
  • 触感(タクタイル)

などの向上に貢献しています。

抽出時に豆の油分、タンパク質、二酸化炭素が形成する層の事をクレマと言います。

このクレマは豆の鮮度や抽出量、抽出の不具合判定にも役立ちます。しかし、単純にクレマがあれば良いという訳ではなくクレマの有無のみで味の判定をすることは難しいです。

  • 20〜30秒の短時間抽出が可能
  • 最も提供の早いコーヒーのひとつ
  • 金属製のバスケットは油分を通過させる
  • シングルエスプレッソは一般に20cc程
  • ダブルエスプレッソは一般に40cc程
  • クレマは豆の油分、タンパク質、CO2

関連用語集

過去に作成した関連用語集は下記のリンクから読む事ができます。

初心者のインプット効率を上げるためになるべく短文で厳選した用語を解説していますので10分ほどで流し読みすることが出来ます。

エスプレッソマシンの種類

現在のエスプレッソマシンには

  • 電気式(ポンプ駆動)
  • 直火式(ストーブトップ)
  • 手動式

など様々な種類が存在します。

電気式でポンプを駆動させるタイプが主流で、その多くは抽出用ボイラーとミルクスチーム用ボイラーの二種類を内蔵しています。

2021年現在では抽出したエスプレッソの量を埋込スケールでリアルタイムに測定、制御するタイプのものが普及し始めています。(La Marzocco KB90等)

直火式のエスプレッソ抽出器具(マキネッタ)はバリスタでもあまり使用する機会はありません。

また、お湯が沸くまでの時間や粉を再度詰めるのに時間がかかるのである程度忙しい店舗での運用にはあまり適していません。

しかしカセットコンロがあれば使用できるのでキャンプなどで大活躍します。

最近の電気式は本体を分離してテーブル下に収納したMod barというタイプも存在します。

これによりエスプレッソマシン本体に遮られる事なくお客さんとのコミュニケーションをとれます。

抽出を行うグループヘッドもビールサーバーみたいにかなりスタイリッシュで扱い易くなっています。また、スチームワンドも通常よりも可動域が大きくとても扱い易い仕様になっています。

  • 近年では電気式が主流
  • マシンは電気式、直火式、手動式がある
  • 直火式はハイオペレーションに不利
  • 抽出箇所をグループヘッドという
  • スチームする箇所をスチームワンドという
  • 埋込スケールをABRという

ABR:(Auto Brew Ratio)

エスプレッソの抽出

エスプレッソの抽出は超極細挽きのコーヒー豆をポルターフィルタ内のバスケットに詰めて行います。

マシンのポンプで9気圧まで高めた圧力を加圧し短時間で効率良くエスプレッソを抽出します。

一見するとエスプレッソ抽出の一連の動作は簡単そうに見えます。しかし、エスプレッソの抽出は見た目以上にシビアでちょっとした事でその味が激変してしまします。

ポルタフィルタのバスケットに入った豆の重さを測定する

例えば、詰める粉の量が0.3gずれるだけで一般の人が飲んで味の変化に気づくとされています。

そのため近年の抽出オペレーションでは詰める豆の量を毎回0.1g単位でコントロールしレシピの安定性を高めています。

豆の計量だけではなく様々な所作や動作がエスプレッソの味や安定性に影響を与えます。それについては後述する「エスプレッソを淹れる基本動作」で詳しく解説していますのでそちらをご覧ください。

ミルクスチーム

ミルクスチームもエスプレッソマシンの大切な機能の一つです。

エスプレッソにスチームしたミルクを混ぜ合わせることでカフェラテやカプチーノなどのミルク系コーヒーの提供が出来ます。

ミルクの良し悪しもコーヒーの味や飲み口に大きな影響を与えるので決して疎かには出来ない技術の一つです。

このスキルについては別の記事にて詳しく説明しているので下記よりどうぞ

コーヒー豆とエスプレッソ抽出液の比率

一般的な比率(Ratio)は

コーヒー豆:エスプレッソ抽出液=1:2

と言われています。

例えば20gのコーヒー豆をRatio1;2で抽出した場合

1:2 = 20g : 40g

エスプレッソの抽出液は40gとなります。

普段からこのRatioを意識してレシピ作りをしておくと、カフェやマシンによって生じる機器環境に依存せずにレシピを共有する事が出来ます。

特に豆を詰めるバスケットのサイズはカフェや機器によって様々です。(一般的な業務用機器のバスケットサイズは18g〜22gが多い)

そんな時にはRatioを用いてレシピを共有する事で別環境でもある程度比較・再現する事が出来ます。

例えば、

(Dose)=コーヒー豆の量
(Yield)=抽出するエスプレッソ量

Dose20g、Yield40g、Ratio(1:2)
Dose22g、Yield44g、Ratio(1:2)

Dose20g、Yield50g、Ratio(1:2.5)
Dose18g、Yield45g、Ratio(1:2.5)

となり、バスケットのサイズが違ってDose量が変わったとしても、同じRatioのコーヒーを作る事ができます。

そのため環境や場所が変わっても比較・検証し易くなります。

カフェラテなどのスチームしたミルクとエスプレッソをあわせるホワイト系コーヒーは、一般的に1:2よりも低い比率(濃度が高い)でミルクに負けないように作ることが多いです。

ミルクを使わないブラック系のコーヒーは豆の種類にもよりますが(1:2)〜(1:2.5)程度のRatioに収まることが多いです。

  • 比率の事をRatio(レシオ)という
  • 濃いエスプレッソはホワイト向き
  • そのまま飲めるエスプレッソはブラック向き

豆のエイジング(ディガッシング)

一般的に焙煎したての豆ほど多くのガスを含んでいます。このガスの量が多すぎると抽出の邪魔をして抽出の効率が落ちてしまいます。

その結果、甘味が物足りなかったり、酸の尖ったインテンスサワーをもったエスプレッソになることもあります。

また、焙煎直後の豆はガスの放出量が一番多く日が経つにつれ徐々に減っていきます。

そのため焙煎から日の浅い豆ほど一日の状態変化が大きく、安定してエスプレッソを提供することが難しくなります

豆を焙煎しているロースタリーの基準や焙煎度合いにもよりますが、一般に7〜10日ほどはエイジングをとったほうが味が安定して良いとされています。

  • ダークローストは7〜10日程
  • ライトローストは2〜3週間程
  • 発生するガスは抽出の邪魔をする

エスプレッソショットの種類

エスプレッソにはいくつかの種類がありますが、代表的なエスプレッソは以下の二種類です。

  • ダブルエスプレッソ
  • ダブルリストレット

使用する豆の量をそれぞれ20gで固定した場合エスプレッソの違いは以下のようになります。

ダブルエスプレッソ
Ratio(1:2)程で約40cc抽出

ダブルリストレット
Ratio(1:1.5)程で約30cc抽出

ダブルリストレットの場合Ratio(1:1.5)のかなり濃度の高いエスプレッソとなります。この場合エスプレッソ単体で飲むと刺激的な酸(インテンスサワー)や、塩味を強く感じる事が多くなります。

エスプレッソ単体では酸味が強くてもミルクと合わせる事で甘味が引き立ち、バランスの取れたコーヒーに仕上がる事もあります。

そのためミルク系のレシピを作る際にはエスプレッソ単体で判断せず、実際にミルクと合わせた状態でテイスティングすることをお勧めします。

  • エスプレッソ濃度は落ち始めが一番濃い
  • エスプレッソ濃度は抽出終了時が一番薄い
  • 一般にシングルショットは20〜25cc程
  • 一般にダブルショットは40〜50cc程
  • 一般にダブルリストレットは25〜30cc程
  • ダブルリストレットは通常よりも高濃度

エスプレッソの良し悪し

コーヒーの味や好みは人それぞれ、また国や地域が変われば美味しいと感じるエスプレッソの味は異なります。

例えば日本やイタリアはダークローストを好む事も多く甘味を伴った苦味に関しては寛容です。

しかし、北欧やオーストラリアではライトローストが多く広まっており、地域によっては苦味は極力ない方が良いとされています。

下記には一般的に良いとされるエスプレッソ、悪いとされるエスプレッソの特徴をまとめています。

良いエスプレッソ
  • アロマが綺麗
  • 果実味がある
  • 甘味がある
  • バランスが良い
  • 程よい粘度がある
  • 長い余韻
悪いエスプレッソ
  • アロマが不快
  • 苦味が強い
  • 強い酸味がある
  • バランスが悪い
  • 粘度がなく水っぽい
  • 後味がざらつく

エスプレッソの未抽出・過抽出

下記の表では未抽出時・過抽出時に発生する代表的な味のサインを各3つピックアップしました。

未抽出時の代表的な味
  • (Salty) 塩味
  • (Sour) 強い酸味
  • (Nutty) ナッツ味
過抽出時の代表的な味
  • (Bitter) 強い苦味
  • (Watery) 水っぽい
  • (Dry) 口内と舌が乾く、ざらつく

本記事では3つしか特徴を挙げていませんが、オンラインバリスタトレーニングで世界的に有名なBarista Hustleではさらに詳しく説明しています。

下記より味のサインを視覚化した[The coffee compass]を確認することが出来ます。

  • 未抽出=Under-extraction
  • 過抽出=Over-extraction
  • ダブルリストレットは意図的な未抽出

ダイアルイン(味調整)のフローチャート

ダイアルインは味の調整の事で、グラインダーの挽き目(グラインドサイズ)やエスプレッソマシンの設定を調整してエスプレッソの味を整えることを指します。

このフローチャートは筆者が新人バリスタ用に簡易的に作成したもので、未抽出や過抽出のサインが出た時の基本的な対処と流れを視覚化しています。

ダイヤルイン(味調整)の流れ
  • タイムが適正範囲内か?
  • 基本レシピを試す
  • 味見をする
  • ネガティブな味はないか?
  • チャートをみてレシピ修正
  • 再度味の確認
  • 完了

下記ダウンロードボタンからフリーでダウンロードできますので参考にしてみてください。

  • 未抽出時は抽出量を増やす
  • 過抽出時は抽出量を減らす

エスプレッソマシンで作れる主なコーヒーの種類

ブラック系コーヒー
  • シングルエスプレッソ
  • ダブルエスプレッソ
  • アメリカーノ
  • ロングブラック
ホワイト系コーヒー
  • カフェラテ
  • カプチーノ
  • フラットホワイト
  • ロングマッキアート
  • ショートマッキアート

エスプレッソを淹れる基本動作

エスプレッソの抽出時の基本的な動作には以下のものがあります

  • ドーシング
  • タッピング
  • レベリング
  • ディストリビューション
  • タンピング
  • リンス

ドーシング

下記写真のようにグラインダーで挽いた豆をポルタフィルタ内のバスケットに収める動作の事です。

グラインダーからのダイレクトドーシング

ドーシングには主に二種類あります。

  • ダイレクトドーシング
  • カップドーシング

ダイレクトドーシングはグラインダーから直接バスケットに挽いた豆を詰めます。

カップドーシングは専用のカップに豆を一旦挽き貯めてからバスケットに詰めます。

  • ダイレクトドーシングは均一性重視
  • カップドーシングは速さ重視
  • ドーシング不良はチャネリングの原因
  • ファネルを使用する方法も有
  • ブラインドシェーカーを使用する方法も有

※ファネルはジョウゴの事で、口径の大きなジョウゴをバスケットの上に装着して使用します。主にEK43グラインダーと呼ばれるグラインダーで使用されています。

※ブラインドシェーカーは世界大会で一流のバリスタも利用するドーシングツールの一つです。下記リンクから製品とその使い方の動画を観ることもできます。

※チャネリング(抽出不良の一種)はバスケット内のコーヒーの不均一分布によって発生します。

これはコーヒー豆を通過するお湯に大きな偏りができるため、同じバスケット内において過抽出・未抽出の両方が発生してしまい味に致命的な影響を与えてしまいます。

タッピング

ドーシングした後の粉を均すために手で衝撃を与える動作の事です。

手でポルタフィルタ自体を叩く水平方向のタッピングとポルタフィルタ自体をグラインダーのハンガーに打ち付ける垂直方向のタッピングがあります。

手を使った水平方向のタッピング

タッピングを安定させるには叩く角度や強さ、その回数を毎回一定に行う必要があります。

  • 水平タッピングは手で叩く
  • 垂直タッピングはハンガーに打ち付ける
  • 角度、強さ、回数を意識して安定させる

レベリング

ドーシングした後の粉を均すために行う動作の事で、タッピングと合わせて行う事もあります。

タッピングは叩く事で生じる衝撃を利用するのに対し、レベリングは指や道具を利用してポルタフィルタに詰めた豆の表面を均します。

指を使ったレベリング

ディストリビューション

ドーシングした後の粉を均すために行う動作の事で、レベリングと似たような動作になります。これは専用のツールを使ってよりレベリングの精度を上げた動作になります。

ただしタンピングの前に1動作多くなるので速さを要求されるようなハイボリュームなカフェにはあまり適していません。

左:タンパー   右:ディストリビューションツール

オーストラリアのONAコーヒーが販売しているOCDが世界的に有名です。

タンピング

ドーシングし、各動作により粉を均した後にタンパーと呼ばれる道具で粉を押し固める動作のことです。この動作によってエスプレッソマシンの9気圧の圧力に耐える事が出来ます。

このタンピングはコーヒーの厚みが均一になるように行う必要があります。これを疎かにすると抽出の不均一が発生し味へ大きな影響を与えてしまいます。

一般的にはタンパーを手に持って手動で押し固める事が多いですが、近年ではPUQ PRESSといった自動式のタンパーも販売されています。

上記の手動タンパーの他にフラットタンパーというものも存在します。これはより水平にタンピングを行うことが出来ます。その外見はディストリビューターにそっくりです。

  • タンピングの適切荷重は15〜20kg程
  • 粉を水平に押し固める事が重要
  • PUQ PRESSは最大30kgまで設定可

リンス

豆を詰めたポルタフィルタをエスプレッソマシンに取り付ける前にお湯を流して前回の抽出の残りカスなどを除去する役割があります。

エスプレッソ抽出時の注意点やNG動作

以下に記す動作や状況はエスプレッソの品質に影響を及ぼしますので確実にチェックしましょう。

チャネリングの原因となる動作
  • 不均一なドーシング
  • 不平行なタンピング
  • ポルタフィルタへの不要な衝撃
NG動作
  • 不平行なタンピング
  • ポルタフィルタを予熱しない
  • 抽出ボタンをすぐに押さない
  • 豆の計量を怠る(可能なら0.1g単位)
  • バスケットが汚れている(雑味、苦味の原因)

必要な道具 アクセサリー類

一般的にエスプレッソを抽出するためには下記のような道具、アクセサリーを使用します。

  • 必須な道具 アクセサリー
エスプレッソマシン コーヒー豆 新鮮なミルク エスプレッソグラインダー タンパー 洗浄剤 カップ ミルクピッチャー 
  • あるとなお良い道具 アクセサリー
ディストリビューター ノックボックス タンピングマット テイクアウトカップ 軟水機 浄水器 ミルクジャグリンサー

エスプレッソマシンの抑えておきたい設定や操作

エスプレッソマシンを使用する上で抑えておきたい作業や設定が

  • マシンオープン作業
  • 基本的な抽出ボタンの配置
  • マシンの中間洗浄
  • マシンクローズ洗浄
  • 各種設定変更

です。

マシンオープン作業

オープン時の代表的な作業は国により少し異なりますが、

  • 電源のオン(日本)
  • スチームの空ぶかし
  • リンスショット(豪)

が挙げられれます。スチームは1分ほど空ぶかししスチームタンク内の水をフレッシュなものに入れ替える目的で行います。

リンスショットは前日の洗浄剤をエスプレッソで流す目的で行います。これはおそらく日本ではあまり行われていません。豪州のカフェによっては各グループヘッドを二回ずつリンスします。

筆者の住むオーストラリアでは一般的にエスプレッソマシンの電源を切ることはありません。

これには

  • 「電気代の節約?」
  • 「マシンの部品劣化防止」
  • 「立ち上がりを待たなくて良い」

などの利点があります。

日本では電気火災などのリスクがあるため電源を切った状態にする事が一般的です。

  • 日本はクローズ時電源を切る
  • 豪州はクローズ時電源を切らない
  • リンスショットは洗浄剤を取り除く目的

基本的な抽出ボタンの配置

一般に設定される抽出ボタンは

  • ダブルエスプレッソ
  • ダブルリストレット

の二種類です。上記の二種類のショットの違いについてはは「エスプレッソショットの種類」に記載していますのでそちらをご覧ください。

これは新しく働くお店や、トライアルを受ける際には確実にその設定を確認しましょう。

豆の種類が複数あるカフェでは

  • ダブルエスプレッソ(ブレンド豆)
  • ダブルエスプレッソ(シングルオリジン)
  • ダブルリストレット(ブレンド豆)
  • ダブルリストレット(シングルオリジン)

と4種類プログラムが入っている場合もあります。

マシンの中間洗浄

営業中の中間清掃には以下の

  • 簡易バックフラッシュ
  • シャワースクリーン清掃
  • グループヘッド溝清掃
  • バスケットをお湯で洗う

エスプレッソの抽出を行なったあとはコーヒーの細かい抽出カスなどがグループヘッド内のシャワースクリーンや溝部分に付着します。

これらを放置するとコーヒーの味を損なうこともあるので可能な限りクリーンに保つ事が大事です。

簡易バックフラッシュは洗浄剤を使わずにお湯だけで行います。

シャワースクリーンはブラシのようなもので軽く磨くと良いでしょう。また、可能であればシャワースクリーン自体も取り外してお湯で洗うとなお良いでしょう。

グループヘッドの溝は柔らかい清潔な布を押し込むと汚れを取る事が出来ます。

バスケットはポルタフィルタから取り外して、可能な限り頻繁にお湯で洗うと良いでしょう。お湯で洗った後は水分を拭いてマシン上部のカップウォーマーで予熱しておくと良いでしょう。

マシンのクローズ洗浄(バックフラッシュ)

営業終了後のマシン内部を洗浄する際の操作です。

洗浄剤を穴の開いていないブラインドフィルターに入れマシンのグループヘッド内を洗浄します。洗浄後はお湯だけで数回バックフラッシュを行い洗浄剤がなくなるまでそれを繰り返します。

各種設定変更

バリスタが良く行うマシンの設定変更には

  • 抽出量のプログラム変更(イールド)
  • スチームの強さの調整
  • 抽出温度の調整

などが挙げられます。

特に抽出量のプログラムに関しては自身が扱うマシンに関しては予習しておくことをお勧めします。

抽出量のプログラム

エスプレッソのレシピを作成する際に抽出量の設定を変更しなければならない事があります。

各メーカーのマシンごとに独自の方法で設定するので事前に働くお店や、トライアルを受ける際には下調べを行うと良いと思います。

筆者個人的にマルゾッコ社のプログラムは基本的に分かりにくいので注意が必要です。逆にサンレモ社は初心者でも設定がしやすいように作られている機種が多い印象です。

代表的な業務用エスプレッソマシン

ラ・マルゾッコ (La Marzocco)

Linea PB
Strada
KB90
LEVA

ビクトリア アーデュイノ (Victoria Arduino)

Black Eagle
Eagle One

サンレモ (Sanremo)

Cafe Racer
Opera2.0

F18

シネッソ(Synesso)

MVP HYDRA
MVP
S200

オーストラリアにおけるエスプレッソマシン

筆者の住んでいるオーストラリアでは日本のようにハンドドリップ(Pour over)ではなくエスプレッソを主体としたメニューがほとんどです。エスプレッソは他の抽出方法よりも圧倒的に抽出時間が短いので短時間で多くのコーヒーを提供する事ができます。

よく飲まれるのがエスプレッソをスチームしたミルクとあわせるカフェラテやフラットホワイト、カプチーノなどが人気です。(これらを総称してホワイトコーヒーといいます)

  • メルボルンではエスプレッソ需要が高い
  • エスプレッソは提供時間が早い
ダムちゃん
ダムちゃん

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コメント

  1. 中山健 より:

    今まで読んだどの日本語・英語の書籍よりも充実した内容で構成も練られており勉強になります。各種マシンの取説までまとめてあり感動しました。何度も読み返したくなります。

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