【これだけは押さえておきたい】コーヒーの代表的な精製プロセス6選

COFFEE

この記事では収穫されたコーヒーチェリーが生豆の状態になるまでの精製プロセスを、初心者やこれからコーヒーを始めたい方に向けシンプルに分かりやすく紹介しています。

この記事を読むことで昔ながらのプロセス4種と最近人気のある新プロセス2種の特徴を理解することができます。

はじめに

この記事では各プロセスの代表的精製方法を取り上げています。

比較的最近のプロセスは農園やその生産者によって現在も発展中でさらに細分化が進んでいます。

そのため農園によっては記事の内容と実際のプロセスが若干違う事もありますので予めご了承ください。

また、下記の記事ではバリスタに必要なコーヒーの用語、品種による特徴をシンプルに短文で分かりやすく紹介しています。時間のある方は先にこちらの記事もご覧ください。

昔ながらの代表的なプロセス4選

ウォッシュドプロセス(ウェット)

このプロセスではまず貯水槽でフローティング選別を行い異物を取り除きます。

その後パルパー(皮むき機)を使ってコーヒーチェリーの外皮と果肉を取り除いた後に、果肉の下にあるミューシレージ(ヌメヌメした粘液質)を除去します。

しかし、

ミューシレージは種子の周りにこべりつていて簡単には取り除けません

そこで微生物の酵素の力を使い、より簡単にミューシレージを除去します。

そのためこのプロセスでは発酵槽と呼ばれる水槽内に水を張り、ミューシレージ付きの種子を入れ酵素の力を利用してを取り除きます。

発酵槽で発酵した後に洗浄してパーチメント(生豆の周りにある最後の殻)がついた状態で乾燥させます。

乾燥後はパーチメントを脱穀し普段私たちが見かけることのできる生豆の状態になります。

ウォッシュドプロセスの主な工程
  • 収穫
  • 貯水槽  浮力差を利用して異物除去
  • パルパー チェリーの外皮と果肉除去
  • 発酵槽  発酵の力でミューシレージ除去
  • 水洗   発酵後に綺麗に洗浄する
  • 乾燥   天日干しもしくは機械乾燥
  • 脱穀   パーチメントを除去し生豆に
ウォッシュドプロセスのメリット
  • 貯水槽で異物を除去できる
  • 貯水槽で未成熟豆を除去できる
  • 欠点豆が少ない
  • 安定した生産
ウォッシュドプロセスのデメリット
  • ミューシレージ洗浄に大量の水が必要
  • 環境負荷が大きい
  • 汚水問題(主に発酵槽から)
  • 設備投資費用が大きい
  • パルパーなどの機器コスト

ウォッシュドプロセスの特徴

  • レモン
  • オレンジ
  • 紅茶
  • 白ワイン
  • クリーンな味

ウォッシュドプロセスの代表的地域

  • ケニア
  • エチオピア
  • ブルンジ
  • ルワンダ
  • ブラジル
  • フローティング選別は水槽内で浮力差を利用した選別方法
  • ミューシレージはチェリーを食べた後に種の周りに残るヌメヌメの粘液質
  • フリーウォッシュドとは発酵槽でミューシレージを除去する方法
  • パルプドアンドデミューシレージドは機械的にミューシレージを除去する方法
  • フローティングでは良い豆は沈み、悪い豆や葉などは浮く

ナチュラルプロセス(ドライ)

このプロセスでは収穫したコーヒーチェリーを果肉がついたままパティオと呼ばれる広場やアフリカンベッドと呼ばれる乾燥棚の上で乾燥させます。

精製に水を必要としないことから主にエチオピアやイエメン、ブラジルなどの地域で採用されています。最もシンプルな昔ながらの精製方法です。

乾燥が済んだ種子は脱穀工程で果肉とパーチメントが除去され生豆が取り出されます。

このプロセスで精製された豆は果実味と甘さが際立っており、ある程度経験のあるバリスタなら抽出前のコーヒー粉の香りだけで分かってしまいます。

それほど香りが強くウォシュドプロセスとは違う魅力があります。

ナチュラルプロセスの主な工程れ
  • 収穫
  • 乾燥  チェリーをそのまま天日干し
  • 脱穀  果肉とパーチメントを除去
  • 生豆完成
ナチュラルプロセスのメリット
  • 水の使用量少
  • 環境負荷少
  • 山岳地帯でも可能
  • 設備投資少
  • 香りや個性が際立つ
ナチュラルプロセスのデメリット
  • 気候の影響大
  • 異物混入しやすい
  • 品質管理が難しい
  • 一粒一粒の味の個体差
  • 管理の手間=人件費がかかる

ナチュラルプロセスの特徴

  • ボディ感がある
  • トロピカルフルーツ系
  • ベリー系
  • チョコレート・ナッツ系
  • 複雑な味わい

ナチュラルプロセスの代表的地域

  • エチオピア
  • イエメン
  • ブラジル
  • パナマ
  • ニカラグア
  • 最も古い精製方法と言われている
  • フルーティーな香りが強く比較的容易にドライアロマで判別することが出来る
  • 乾燥中の豆は人の手で撹拌するため手間と人件費がかかる

ハニープロセス(パルプドナチュラル)

ハニープロセスは2000年ごろにコスタリカで生まれました。

このプロセスはパルバーで外皮と果肉を除去した後、ミューシレージは取り除かずにそのまま乾燥を行います。

イメージ的には前半はウォッシュドプロセス、後半はナチュラルプロセスを合わせたハイブリットなプロセスです。

そのためウォシュドとナチュラルのいいとこ取りな精製方法とも言われており、ミューシレージの糖分が生豆に浸透するので甘味とボディを持ち合わせています。

ちなみにブラジルでは1990年代から同じような精製方法が行われていてこれはパルプドナチュラルと呼ばれています。

ハニープロセスの主な工程
  • 収穫
  • パルパー チェリーの外皮と果肉除去
  • 乾燥   チェリーを天日干し
  • 脱穀   果肉とパーチメントを除去
  • 生豆完成
ハニープロセスのメリット
  • 水の使用量少
  • ナチュラルほど欠点豆がない
  • 乾燥工程の時間短縮
  • 未完熟豆が選別でき品質が高くなる
  • 水資源の削減(※1)

※1ミューシレージを洗わなくて良いため

ハニープロセスのデメリット
  • 乾燥時にダマになる
  • 乾燥時の管理に人手がいる
  • 発酵時に欠点豆が生じる
  • パルパーなどの機器コスト
  • リムーバーなどの機器コスト(※2)

 ※2ミューシレージリムーバー

ハニープロセスの特徴

  • 除去率によって味の特徴が変わる
  • ブラックハニーはナチュラルに近い味
  • レッドハニーはナチュラルに近い味
  • ホワイトハニーはウォシュドに近い味

ハニープロセスの代表的地域

  • コスタリカ
  • ブラジル
  • エルサルバドル
  • ホンジュラス
  • ネパール

コスタリカではミューシレージの除去率によってプロセスの呼び方が分類されています。また、除去率に応じた乾燥期間を設けています。

  • ホワイトハニー  90%    程除去
  • ゴールデンハニー 75ー80% 程除去
  • イエローハニー  50%    程除去
  • レッドハニー   25%    程除去
  • ブラックハニー  00%    程除去

ホワイトハニーはウォッシュド寄り、ブラックハニーはナチュラルに近い傾向

スマトラ式

このスマトラ式だけは脱穀のタイミングがどのプロセスとは違います。

また乾燥工程が2回あることが他の精製方法にはない特徴の一つです。

収穫されたコーヒーチェリーはハニープロセスと同じように果肉除去を行い、ミューシレージがついたまま予備乾燥を行います。

基本的にこの予備乾燥までは各農家ごとで処理されているようです。

予備乾燥が終了したらパーチメントという生豆の外側にある殻を脱穀して本乾燥を行います。

つまりパーチメントを取り除いた後の生豆の状態で乾燥する事ができるので他のプロセスよりも工程を早める事ができます。

スマトラ式プロセスの主な工程
  • 収穫
  • パルパー チェリーの外皮と果肉除去
  • 予備乾燥 ミューシレージごと予備乾燥
  • 脱穀   目標水分値でパーチメント除去
  • 本乾燥  目標水分値で乾燥完了
  • 生豆完成
スマトラ式のメリット
  • 酸味が穏やか
  • 乾燥時間の短縮(雨季対策)
  • 精製日数3〜5日
スマトラ式のデメリット
  • 生豆状態での乾燥がカビの原因
  • 乾燥前に脱穀するので生豆が不揃い
  • 欠点豆、割れ豆が多い

スマトラ式の特徴

  • クローブ(スパイシー)
  • ハーブ
  • アーシー(土っぽい)
  • 深緑色の生豆

スマトラ式の代表地域

  • インドネシア スマトラ島
  • インドネシア スラウェシ島
  • パプアニューギニア?
  • 生豆の状態で乾燥する唯一のプロセス(他のプロセスはパーチメントごと乾燥する)
  • この土地でしか出せない独特な味、テロワールを持っている
  • 脱穀の目標水分値は30−50%
  • 本乾燥の目標水分値は20%以下

最近人気のある新しいプロセス2選

アナエロビック ファーメンテーション(嫌気性)

このプロセスはコスタリカのCafe de Altura社のEsteban Villalobos Corralesさんという方が上司に内緒で作り始めたプロセスです。

詳しくは下記「詳細はこちら」よりご覧ください。

アナエロでは密閉された容器にコーヒーチェリーと別のロットから得たミューシレージの両方を漬け込んで発酵を行う。

つまり通常のミューシレージの絶対量100%を超えの発酵方法ということです。(ミューシレージ200%とかになります)

その際に追加で投入するミューシレージは別のコーヒーチェリーから用いられるので味にはこれまでにない複雑味が生まれます。

アナエロでは微生物の力で発酵する際に生じる二酸化炭素を利用して空気を排除しています。

また、この際、タンク内圧力が上昇しミューシレージの成分をより浸透させる手助けをしています。

コーヒーチェリーは収穫した状態かミューシレージがついた状態でタンクに投入され、漬け込む温度や時間を管理して発酵をコントロールしています。

ちなみに、漬け込む前の生豆の状態や発酵後の処理の違いでナチュラル、ハニー、ウォッシュドに細分化されます。

アナエロウォッシュドプロセスの主な工程
  • 収穫
  • 貯水槽  浮力差を利用して異物を除去
  • 発酵   チェリーのまま密閉容器で発酵
  • パルパー チェリーの外皮と果肉除去
  • 洗浄   パーチメントの状態になる
  • 乾燥   洗浄後に乾燥
  • 脱穀   果肉とパーチメントを除去
  • 生豆完成
アナエロのメリット
  • 土地由来の微生物によるテロワール
  • 発生したガスの内圧で豆に成分が浸透
  • 嫌気性発酵による独特な風味形成
  • 非常に強いフレーバー
  • 世界大会でも高い評価
アナエロのデメリット
  • 機器導入コスト
  • 生産の安定性に欠ける
  • 発酵時間が気温の影響を受ける
  • 生産コストがかかる
  • 不良豆が混入すると全体に影響発生

アナエロの特徴

  • シナモン、スパイシー
  • チェリー、いちご
  • ジャム
  • バブルガム
  • ワイン

アナエロの代表的地域

  • コスタリカ
  • コロンビア
  • ニカラグア
  • グアテマラ
  • ホンジュラス
  • 嫌気性発酵とは酸素を必要としない微生物の力による発酵
  • カーボニックマセレーションと違い二酸化炭素は添加しない
  • 逆に酸素中での発酵を好気性発酵(エアロビック)という
  • ラクティックアナエロビックやダブルアナエロビックというプロセスも存在する

カーボニックマセレーション(炭酸ガス浸漬法)

ボジョレーヌーヴォの精製方法から応用利用したアナエロビックファーメンテーションの一種です。

密閉されたステンレス容器にコーヒーチェリー、もしくはパルピング後のミューシレージがついた状態の豆を入れた後に二酸化炭素を充填して発酵させます。

二酸化炭素を充填することで酸素を追い出した状態での嫌気性発酵が可能となります。

二酸化炭素充填がアナエロとの大きな違い

二酸化炭素を充填することでアナエロビックよりも発酵環境の可変要因が減らすことが出来ます。

CMウォッシュドプロセスの主な工程流れ
  • 収穫
  • 貯水槽   浮力差を利用して異物除去
  • パルパー  チェリーの外皮と果肉除去
  • 嫌気性発酵 密閉容器に入れCO2充填
  • 洗浄    パーチメントの状態になる
  • 乾燥    洗浄後に乾燥
  • 脱穀    果肉とパーチメントを除去
  • 生豆完成
CMのメリット
  • 一貫性のある発酵環境
  • 強いフレーバーを生み出す
  • 他にはない特徴的な味
  • 質感の向上
CMのデメリット
  • 発酵時間の管理が難しい
  • 温度管理が難しい
  • 安定生産が難しい

CMの特徴

  • ストロベリー
  • ラズベリー
  • バブルガム
  • ワイン
  • スパイシー、リコリス

CMの代表的的地域

  • コロンビア
  • エチオピア
  • ブラジル
  • エルサルバドル
  • ニカラグア
  • 発酵後の処理でウォシュドかナチュラルに別れる
  • 二酸化炭素を充填するのでアナエロよりも一貫性のある発酵環境になる
ダムちゃん
ダムちゃん

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